子供の姿勢について
子供の姿勢と、姿勢が脳に与える影響に関する記事をご紹介します。
集中力を向上させるには、脳ではなく、いい姿勢が重要
STANDS! より東京大学 池谷裕二准教授のインタービュー記事抜粋
http://stands.allsports.jp/feature/99
━ 仕事と脳の関係について再度お聞きしたいのですが、
脳がどんな状態だったら集中力は向上するのですか?
池谷 脳と集中力は、実はあんまり関係ないです。集中力に関しては、姿勢と筋力が密接に関係しています。結局、何をするにしても足腰を使っているじゃないですか?歩くときはもちろん、座ってる時もそう。
足腰が悪かったり、筋力が衰えたら姿勢を維持できないわけですし、結局、集中できない。
━脳ではなく、つまり姿勢が集中力UPのカギを握っていると。
池谷 はい。集中力の持続が短くなるのは、脳が衰えてるとかじゃなくて、姿勢を維持できないせいだと思います。
そして、その姿勢を維持するためには、筋力が重要ということになりますね。
たとえば、読書するシーンを思い浮かべてください。若い時は2時間3時間とか、本を読めると思うんですけど、40代、50代にもなると、30分で疲れちゃうという声も聞きます。「集中力がなくなった=脳がおとろえた」、みたいな連想をされるかもしれませんが、これは脳ではなくて、筋力の衰えから来ているものなんです。
本を持つ姿勢を維持しているということは、姿勢を維持する筋肉を使っているということ。だから、筋力、体力が必要になるわけです。
━集中力を維持するには、いい姿勢を維持することが重要で。そのために、筋力が必要に…納得です。
池谷 それと、いい姿勢の重要性に関しては、論文としても過去に発表されているんです。猫背で、いかにも自信なく物事を決断するより、胸を張ったいい姿勢で決断した方が、その後の結果に自信が持てるというデータが出ているんです。
これは、「楽しいから笑う」じゃなくて、「笑っているから楽しい」と同じで、「姿勢がいいから自信が持てる」ということなんでしょうね。あと、学生とかが大学の講義をふんぞり返ってつまらなそうに聞いているじゃないですか?あれって実はつまらないからふんぞり返っているワケじゃないんです。ふんぞり返ってるから、つまらなく感じるんですよ(笑)。
逆に、前のめりになって、「なんでだろう、どうしてだろう」という姿勢で話を聞くときのほうが、同じ話でも面白く感じられているというデータも出ているようです。
そう、姿勢が脳の状態、つまり感情をコントロールしているといえるかもしれません。その姿勢をつくるための根本的な筋力を持っていないと、そもそも感情をうまく維持できなくなる。脳以前の話ですね。
姿勢を正すと、集中力が出る
HappyLifeStyleより抜粋
http://happylifestyle.com/6917
「成績が悪い子は、姿勢の悪い子が多い」
「成績がいい子は、姿勢のいい子が多い」
こうした話をご存知ですか。
有名な法則なので、すでにご存知かもしれませんね。姿勢と成績には、深い相関関係があります。なぜ関係するのか、あらためて整理したいと思います。
まず腰が曲がっていると、呼吸が自然と浅くなります。
椅子にもたれ掛かったり猫背になっていたりすると、胸の辺りが圧迫されて、自然と呼吸が浅くなってしまうのです。体の血液循環も悪化して、体や脳に行き渡る酸素も不足します。
その結果、ぼうっとして集中力が低下するのです。また、疲れやすさにも影響します。
一見、楽に思える猫背ですが、背骨には大きな力が入り、負担になっています。姿勢が悪いと疲れやすくなり、勉強も長く集中できなくなってしまうというわけです。
集中力をつけるために必要なのは、姿勢をよくすることです。
姿勢がよくなるだけで、自然と集中力が向上すると言っても過言ではありません。
腰が伸びることで、呼吸が深くなり、血液循環が正常になり、酸素も十分に供給されます。
また胸を圧迫することもないので、血液の循環がよくなって、酸素が体に十分に行き渡ります。
もちろん脳へも供給される酸素も増え、集中力が向上するのです。腰を伸ばすとき、ほんの少し腰に力を入れますが、椅子にもたれ掛かる姿勢に比べればはるかに小さな力ですみます。
大きな大木は、まっすぐ伸びているからこそ安定します。少しでも木が斜めに傾くと、付け根の辺りで強い力が加わり、木がだめになってしまうのです。しかも「腰が伸びていれば疲れにくい」というメリットもあります。ぴんとまっすぐ伸びていると、腰周りに入れる力が小さくて済み、長時間姿勢と集中力を維持することができるのです。
「姿勢悪い子」増加中
「背中ぐにゃり」は集中力不足の原因に
日経新聞 2010/5/31「インターネット記事「暮らしの知恵」より抜粋
http://www.nikkei.com/article/DGXBZO08280740Y0A520C1WZ8000/
いつも背中がぐにゃっと曲がっていたり、左右どちらかに傾いていたり……。
小学校の朝会などで真っすぐ立ち続けられない子どもが目立つという。
姿勢が悪い児童が増えていると教師が感じている小学校は7割以上にのぼる。
専門家は「自分も姿勢が悪いので注意しない親が増えている」と指摘する。
千葉県内の小学校の授業参観で、5年生の娘を持つ母親は教室の後ろから見ていて驚いた。
保護者の視線を意識する日だというのに極端に前かがみの子、斜めにイスに座り 体が曲がっている子ばかりで、姿勢がきれいな子は数えるほどしかいない。
挙手をするときは背筋が伸びる。しかし、先生の話を聞いたりノートに書いたりするとき、背中はぐにゃりと曲がっている。思わず隣の保護者と「あんなに姿勢が悪いなんて」とささやきあった。
埼玉県入間市立武蔵中学校は4月、身体測定に合わせて子どもの姿勢をチェックした。「気をつけ」と声をかけても猫背だったり首が前に出ていたりする生徒は4割近くに上った。このため6月には1カ月間、授業前の数分間を使い、全校で姿勢を伸ばすストレッチをする予定だ。
子どもの姿勢の悪さが目立つ。日本体育大学・学校体育研究室などの調査で、姿勢が悪い子どもが増えていると教師が感じている小学校は1979年の44%から2005年には75%に増えた。
5年に1回の調査のため今年は集計中だが、「姿勢の悪化傾向は続いている可能性が高い」(阿部茂明・日体大教授)。
「朝会でフラフラして、真っすぐに立っていられない」。
虎ノ門カイロプラクティック院(東京都港区)にはこんな小学生が姿勢を改善しようと訪れる。「姿勢が悪いまま成長すると、大学生でも肩こりは多い」と碓田拓磨院長は話す。碓田院長は早稲田大学で「姿勢と健康」という講義を受け持つが、授業を受けた約7割の学生が肩こりに悩み、3割以上の学生が腰痛に悩まされた経験があるという。
姿勢が悪くなる原因としてびわこ成蹊スポーツ大学の新宅幸憲教授は外遊びが少なくなったことによる筋力の低下、携帯型ゲームや携帯電話のメールで長く下を向く時間が増えていることを指摘する。また、「親自身の姿勢が悪いため、子どもに注意しないという影響も大きい」と強調する。